JISLaDデータについて

 About JISLaD Data

JISLadのデータについて詳しく説明をしています。

JISLaDデータについて

JISLaDデータは、国土地理院が運用する電子基準点連続観測網(GEONET)のRINEXデータ(生データを受信機の種類によらない共通フォーマットに変換したデータ)を、ITRF2014座標系を基準として、日豊独自の方式で解析したものです。
 
私たちは、日本の地理座標を絶対座標で表したい、日本で起こっている地殻変動を絶対座標を基準として表したいと考えています。しかし、以下に示すように、地球の表面の位置を絶対座標で表すのは簡単なことではありません。
 
地球の表面は多数のプレートに分かれていて、それぞれが違った方向に動いています。したがって、地球表面のすべての点はいずれかの方向に動いています。動いていない点があれば、そこの変動がたまたま0になったのだと考えていいでしょう。つまり、地球表面には絶対座標の基準となるような場所はないのです。
 
四国や紀伊半島の南端付近は、フィリピン海プレートに押されて北西に向かって動いているといわれます。しかし、それは四国や紀伊半島が乗っているユーラシアプレート(あるいはアムールプレート)上のある点を基準として変動を見れば、北西に動いているということです。地球上のどこかに絶対的な基準点があって、そこに対して北西に動いているということではありません。
 
しかし、絶対座標の基準となる場所はないといいながら、GPS受信機では、その位置の緯度、経度、高さの絶対値が表示されます。これはいったいどういうことでしょうか。
 
IERS(国際地球回転・基準系事業)という国際的な学術機関が、GPSなどのGNSS(全世界航法衛星システム)をはじめとする宇宙測地技術から得られた世界中のプレートの速度をもとに、各プレートの速度と面積をかけた量の総和が0になるように求めたNNR(No-Net-Rotation)座標を決めています。これは、地球上のすべてのプレートの運動の平均を基準とした座標で、地球上の点を絶対座標で表そうとすれば、この座標を使うのが一番適切だと言っていいでしょう。
 
この座標は、地球の中心を原点とし、赤道上の本初子午線(経度0度)方向にX軸、赤道上の東経90度方向にY軸、北極方向にZ軸をとったX、Y、Zの値とその時間変化で表します。これをITRF座標といいます。またITRF座標もひとつだけではなく、より精度の高いものにするために、何度か改定されています。その最新のものがITRF2014座標です。
 
しかし、地表の座標をX、Y、Zの値で示されても、それが地球のどのあたりなのかということは直観的にはわかりません。そこで、GPSなどの受信機では、X、Y、Zの値ではなく、緯度、経度、高さに変換して表示されます。その時に基準にしているのがWGS-84楕円体という地球中心を基準とした地球楕円体です。ITRFの座標とWGS-84楕円体の座標とはお互いに結び付けられており、どちらかの値がわかるともう一方の値も求められるということになっています。なお、国土地理院の地図はGRS-80楕円体を使っていますが、WGS-84楕円体とGRS-80楕円体は実質的に同じものだと考えて構いません。
 
このJISLaDで示されている座標値は、ITRF2014の値やWGS-84の値です。したがってここに示されている変動ベクトルもITRF2014に準拠したものですから、地球の絶対座標での変動と考えられます。そのため、このページに示されている地殻変動は、他の資料などでよく見る、四国や紀伊半島の南端が北西側に動くような変動になっていませんが、これが地球の絶対座標での変動なのです。
 
なお、JISLaDの座標は、IERSがITRF2014座標を定めている日本周辺の観測点約50点を基準として、GAMITとBerneseという世界中の研究者が使用している2種類のGNSS解析ソフトウェアを使って求めています。さらに2つのソフトウェアの結果に大きな差がないことを常にチェックしており、自信をもって皆様にお示しできるデータです。